一人旅11回目(15県目) 鳥取 大山寺、賽の河原 その1

「三途の川」の名を冠する川が日本に数ヶ所あります

此岸(現世)と彼岸(あの世)へ渡る為に、六文銭を払う あの三途の川。


その河原が、


「賽の河原」(さいのかわら)


親に先立って死亡した子供がその親不孝の報いで苦を受ける場とされる。
そのような子供たちが賽の河原で、親の供養のために積み石による
塔を完成させると供養になると言うが、完成する前に鬼が来て塔を破壊し、
再度や再々度塔を築いてもその繰り返しになってしまうという俗信がある。
このことから「賽の河原」の語は、「報われない努力」
「徒労」の意でも使用される。
しかしその子供たちは、最終的には地蔵菩薩によって救済されるとされる。
ただし、いずれにしても民間信仰による
俗信であり、仏教とは本来関係がない。

賽の河原は、京都の鴨川と桂川の合流する地点にある
佐比の河原に由来し、地蔵の小仏や小石塔が立てられた
庶民葬送が行われた場所を起源とする説もあるが、
仏教の地蔵信仰と民俗的な道祖神である賽(さえ)の神が
習合したものであるというのが通説である。  (By Wiki)



その「賽の河原」が鳥取県にもあると聞いたので、
だいせんホワイトリゾートとしても有名な


大山寺に行って参りました。


そんな私、絶賛迷子中。


河原を目指しているのに、川の近くにいない愚か者。

周りに人は一杯います。
スキーに来ている人で一杯です。朝からすごい人。

第2駐車場も満タン。
スキーで有名とは露とも知らず。
場違い感が素晴らしいです。



スキーは修学旅行で一回滑った切りです。

ええ、「滑った」だけです。


なんて考えつつ、スキー道具を持っていない人に付いて行く。
スキーが目的で無いなら、自分と同じ目的の観光客だろうと。

早朝に眺めた山・・・でしょうか。
近くまで来たなぁ・・・なんて思っていました。

更に近付くとは、思いもしませんでした。

素晴らしい雪の量です。

この写真の雪の頂上に人がいるのです。

雪の上を歩くことも、ほとんど無い三重県人。

今年は雪が積もり感激しましたが。


雪の上を「登る」のは初見&初体験。

少し厚手の上下黒の装備。履物は運動靴。


嫌な予感。


そんな装備で大丈夫か?


大丈夫だ、問題だ。

急な坂。

重装備のおじ様。

集結する勇者御一行。

付き従う村人B。

・・・・嫌な予感ビンビン♪


なのに、この時の私は

「目的は同じだろう」と呑気に考えておりました。


全ては、この景色を望む為に。

大神山神社

神社の近くの河原が、賽の河原。
うん、きっとそんな感じだろう。

それにしても、鳥居の背が低い。

千利休が如く、いったん頭を下げて這うような形にならないと中に入れないのか?

そう思った刹那。


片足が引っ張られました。

私が目指しているのは三途の川じゃない。

その岸辺だ!

ついつい死亡フラグを口にしそうでした。

「落ちる」と言うみたいですね。雪を登るのは初めて。

・・・こんな装備で大丈夫な訳、ないですよね。

物々しい雰囲気。

列で歩む勇者御一行。

手荷物は一切持たない、徒手空拳主義の私。

ちょっとのお金と明日のパンツさえあれば!

改めて雪の高さを感じた瞬間。

手を洗うどころか、足さえ洗えない落差。

ますます登り、本殿が見えてきました。


・・・ここらで悟るべきでした。

河原=地面なのに、

高い所へ行ってどうするんだと。

確かこの時「上流に河原がある」とか考えていたような。

滝でも見るつもりだったのでしょうか。

ここで勇者御一行、装備をキャストオフ


ここが終点なのね、戻ってまずは川を探しましょうか。

ほら、ポールも立っているし、どうしようもないね。

中。

刀が無いので、さほど惹かれるものも無く。

悪寒がするわけでも、鳥肌が立つことも無く。

鳥肌は寒いので立ちっぱなしです。


・・・あれ?

勇者御一行、装着し始めました。

ああそうか、

登りよりも下りの方が怖いですもの。

慎重さは必要ですね。

Q 壁があります。どうしますか?

A 迂回します。

富士山は師匠の教えもあり、

しっかり準備して、ペース配分にも気を遣って頂いたのに。

「山を舐めるな」と言われたら、何も言い返せない次第です。

そんな無防備な状態。

この落差。登山?登雪?

頭の中に流れるBGMは

ミミック   原曲&歌詞はコチラ

ココ!

この何もない空間ですが、

分岐点です。

セーブは済んでいますか?


勇者御一行は右に向かいましたが。

左側にも足跡が。


私は左側(来た道から見て直進)に行こうとしていました。
    (右側は看板や目印は無し)


「あっちに進む人はいないですよね〜」なんて勇者御一行

(もし、夕暮れ無理をして来ていたらば)
(もし、勇者御一行に出会わなければ)


比べる人がいなくちゃ”前”も分からずに
知らないうちに誰かの背を見て進む
「キミだけの道」なんて本当は無いのかも

ミミック」の歌詞、心に沁みます。

ここは傾斜の急な場所に見えますが、

右側は崖になっております。

斜面で、右側はあばば。

勇者御一行は勿論トレッキングシューズ。

愚民Dは adidasのテニスシューズ。


アタシの前の道は他人の足跡だらけ

同じようなサイズの跡を踏んで進む


ミミック」の歌詞、心にも足にも沁みます滲みます

山が近くなってきた。

私はひたすら、「生かされている」感を噛みしめていました。

足跡を頼り辿る人生。

この辺りだったか、勇者御一行の2人が離脱。

装備着用済なれど、体力が尽きた方々が私の後ろに回り。

装備見着用なれど、体力だけは有り余る私が列の中核に。

・・・なったのもつかの間。

2人は忽然と、姿を消しました。

一本道。

右手は崖。


・・・前を向き直し、足跡を外さず歩けた自分を、褒めてやりたいです。

やっぱりこれは、登山だったのか。

此処まで来てようやく、迷子になったことを認められました。

辿り着いた、雪原の世界。

軽装備で来られた達成感を、恥じながら感じましたが。

それよりも、自然の脅威と美しさに魅せられました。

山が近い。

まるで登れそうな近さだ。



登れそうだ ←死亡フラグ